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インプラントによる乳房再建

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インプラントによる再建の留意点

インプラントによる再建では、以下のような留意すべき点があります。手術を受ける前によく理解し、納得することが大切です。

合併症のリスク
  • ティッシュ・エキスパンダー(皮膚拡張器)ブレスト・インプラント(シリコン製人工乳房)という人工物を体内に入れるため、感染症を起こすことがあります。その場合は、人工物をいったん取り出して感染を治療し、完治してから再建をやり直さなければなりません。
  • インプラントの周囲に薄い膜ができ、膜が硬くなって縮むことにより乳房が非常に硬くなったり痛みを生じたりする合併症(被膜拘縮)が起きることがあります。
  • ブレストインプラント関連未分化大細胞型リンパ腫(BIA-ALCL)というリンパ腫を発症する可能性があります。BIA-ALCLは主に、表面がザラザラとしたテクスチャードタイプのインプラントを使用した症例で報告されています。
    ほとんどの場合、インプラントとその周辺の組織を取り除くことで治療しますが、病変がインプラント周辺組織を超えて広がった症例のなかには、まれに死亡例が報告されています。早期発見・早期治療のため、自己検診と定期検診の継続が大切になります。

    BIA-ALCLについて、正しく詳しい情報をお知りになりたい方は、日本乳房オンコプラスティックサージャリー学会のホームぺージが参考になります。
メンテナンス
  • 再建していない側の乳房が加齢とともに下垂し、左右のバランスが悪くなった場合には、再建していない側の乳房を持ち上げる、豊胸するなど、バランスを合わせる手術が必要になることがあります。
  • インプラントは時間とともに状態が変化していき、将来的には交換や摘出が必要となる可能性があります。その寿命は種類、手術の方法、患者さんの健康状態やライフスタイルなどに左右されますが、10~20年後の入れ替えを視野に入れておくのが望ましいとされています。
放射線療法の影響
  • 乳がんの手術後に放射線療法を受けた場合は、皮膚が弱く、伸びにくくなるため、インプラントによる再建では形のよい乳房に仕上がらないことがあります。また、血行が悪くなるため、皮膚壊死などの皮膚障害を起こしやすくなります。このような理由で、放射線療法後のインプラントによる再建は難しいとされています。
インプラントによる再建を受けられる施設
  • 保険適用のティッシュ・エキスパンダーとインプラントを使った乳房再建術は、日本乳房オンコプラスティックサージャリー学会の認定を受けた施設でのみ受けられます。認定施設の一覧は同学会のウェブサイトに公開されています。
  • 認定施設のなかでも手術後の写真を提示してくれる、リスクを含めよく説明してくれるなど、信頼できる施設を選ぶことが大切です。
  • お近くの施設の一部については、本サイトの病院検索でお調べいただけます。
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<参考・協力>福田 護ほか:ピンクリボンアドバイザー認定試験公式テキスト
『ピンクリボンと乳がんまなびBOOK』発行/社会保険出版社 発売/主婦の友社,2013