乳房再建を考える日
乳がんは、がんの中でも日本女性がかかる割合(罹患率)が最も高い*1と同時に、近年、「乳がん」に罹る女性が増加*1しています。乳がんの手術によって命が救われても、胸のふくらみを失うことがあります。
傷あとが残るとともに、左右のバランスが悪く肩こりがする、胸パットを使うのがわずらわしいなど、日常生活のなかで不便さや不自由さを感じる患者さんは少なくありません。乳がんの手術で失ったり、変形したりした乳房を新しく作り直すもう1つの手術として「乳房再建術」があります。
日本においては、乳がん全摘手術後の乳房再建は保険適用となり11年が経過しましたが、米国や韓国と比較して日本における乳房再建の実施率は低い*2状況です。
NPO 法人エンパワリングブレストキャンサーの調査報告によると、乳房再建のハードルとして、長期間仕事が休めない、職場に言いにくい、周囲の反対等の患者さん本人の意思とは異なる側面も理由として挙げられています。*3
そのような背景から、乳房再建を考える日をきっかけに、乳房再建も乳がん治療の選択肢の一つとして、
患者さんだけでなく家族、周囲の人も知り、理解を深めていただくため、アラガン・エステティックスと患者支援団体であるNPO法人E-BeCと連名で、日本記念日協会に記念日登録を行いました。
2011年、カナダで初めて「乳房再建啓発デー(Breast Reconstruction Awareness Day)」が行われました。以来、カナダや米国では毎年10月に乳房再建について患者さんだけでなく社会全体に向けて、乳房再建の啓発を行う取り組みが行われていることから、日本における「乳房再建を考える日」を10月に設定しました。
また、海外ではリボンが一周する形のシンボル“クローズド リボン”が、乳房再建のロゴとして使用されています。
このリボンが一周する形が数字の8に見えることから、日本においては海外の乳房再建啓発デーと同時期の
10月8日を「乳房再建を考える日」として記念日登録を行いました。
乳房再建を考える日をきっかけに、「乳房再建ナビ」の下記ページもご参考ください。
- *1
- 国立がん研究センターがん情報サービス「がん統計」(全国がん登録)
https://ganjoho.jp/reg_stat/statistics/data/dl/index.html (2024年9月13日にアクセス) - *2
- 厚生労働省「第9回NDBオープンデータ」より算出
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000177221_00014.html (2024年9月13日にアクセス) - *3
- 2023 年度『乳房再建に関するアンケート調査』結果報告書(仮)