自家組織による乳房再建に特有の注意・ケア
自家組織を用いた乳房再建には特有の注意とケアが必要です。自家組織による乳房再建後の具体的な注意点やケア方法について詳しく解説します。
手術直後の安静
お腹の組織を移植する方法の1つである腹直筋皮弁法では、再建の手術直後はお腹を腹帯で固定し、3日間程度はベッドで安静にする必要があります。また、ベッドを離れるときは、看護師などに介助してもらい段階的に起き上がったり、前かがみで歩行したりするなど、腹部に負担がかからないように注意します。
ガードル着用
腹直筋皮弁法では、腹直筋を切り取るため腹筋の力が弱くなります。退院してからも再建の手術後2~3ヵ月は、腹筋力を補助するためガードルや腹帯で圧迫を続ける必要があります。その間は、重い物を持ったり、激しいスポーツをしたりすることはできません。
血流モニタリング
お腹の組織を移植する方法の1つである穿通枝皮弁法では、静脈血栓(血管内に血のかたまりができ、つまる病気)のリスクがあります。そのため、再建の手術後2日間程度は安静を要し、移植した部分の皮膚の色や、血流を観察する必要があります。