インプラントによる乳房再建
インプラントによる乳房再建は、主に乳房切除術(全摘術)を受けた人が対象になります注1)。自家組織による乳房再建と比べて、手術時間や入院期間が短く、手術による体への負担も小さいため、長期間の入院ができない人や早く社会復帰をしたい人、傷を増やしたくない人に適しています。
インプラントによる乳房再建手順
インプラントによる乳房再建では、インプラント(人工乳房)を入れる前にエキスパンダーを大胸筋の下に挿入し、皮膚とその周辺組織を伸ばしてから、インプラントに入れ替えるのが一般的です注2)。
- 注1)
- 乳房切除術(全摘術)を受けた人がインプラントによる乳房再建を行う場合、健康保険が適用になります。
- 注2)
- 乳がんの手術で皮膚が多く残った人や、乳房が小さい人では、直接インプラントを挿入する場合もあります。
図 インプラントによる乳房再建術
①乳がんの手術後に、エキスパンダーを挿入する。
②エキスパンダーに生理食塩水を注入する。約2週間ごとに1~6ヵ月かけて追加注入する。
③皮膚とその周辺組織が十分に伸びたら、同じ傷あとを切開し、エキスパンダーとインプラントを入れ替える。
④乳房の傷を閉じて完了。
<参考・協力>福田 護ほか:ピンクリボンアドバイザー認定試験公式テキスト 『ピンクリボンと乳がんまなびBOOK』
改訂版第2刷発行. 発行/社会保険出版社 発売/主婦の友社,2019
<監修>医療法人社団ブレストサージャリークリニック 院長 岩平 佳子先生