リンパ節郭清
リンパ節郭清
かつては乳がんの手術時に、わきの下<腋窩>にあるリンパ節を切除するリンパ節郭清を行うのが一般的でした。ところが、リンパ節にがんの転移がない場合には切除しても意味がないうえ、腕が上がらない、しびれやむくみが出るといった後遺症の原因になります。
そこで現在は、リンパ節に転移が確認された場合にのみ、リンパ節郭清を行うようになりました。まず、手術前の検査でリンパ節転移が確認されている場合はリンパ節郭清を行います。確認されていない場合には、手術中に「センチネルリンパ節生検」という検査で迅速診断し、リンパ節転移がなかった場合は、リンパ節郭清を省略します。
一方、最近の研究により、早期乳がんで術後に放射線療法や薬物療法が予定されている場合には、センチネルリンパ節に転移があってもリンパ節郭清を行わないケースも出てきています。
<参考・協力>福田 護ほか:ピンクリボンアドバイザー認定試験公式テキスト 『ピンクリボンと乳がんまなびBOOK』
改訂版第2刷発行. 発行/社会保険出版社 発売/主婦の友社,p.86,2019