乳がんの発生と進行
乳がんの理解を深めるためには、まず乳房の構造と乳がんの発生部位について知ることが重要です。本ページでは、乳房の基本的な構造から、乳がんがどのように発生し進行するのか、そしてその症状について詳しく解説します。
乳房の構造と乳がんの発生部位
図 乳房の構造
乳がんは、乳房の「乳腺」という組織にできるがんです。
乳房はその大部分を占める乳腺と脂肪組織のほか、皮下組織と皮膚から成り立っています。乳腺は、乳頭（乳首）を中心に放射線状に広がる、15～20の「乳腺葉」の集合体のことです。乳腺葉は、さらに乳汁を作る「小葉」と、乳汁を乳頭まで運ぶ「乳管」から成り立っています。乳がんの95％以上が乳管の上皮細胞注）に発生し、約5％が小葉に発生します。
乳腺は乳房全体に張りめぐらされているため、乳がんは乳房のどこにでも発生する可能性がありますが、最も多い発生部位は、乳腺が豊富な外上部（乳房の外側の上部）であるとされています。
注）上皮細胞：皮膚や粘膜などの上皮組織を形成する細胞のことをいいます。
＜参考・協力＞福田 護ほか：ピンクリボンアドバイザー認定試験公式テキスト 『ピンクリボンと乳がんまなびBOOK』
改訂版第2刷発行. 発行／社会保険出版社 発売／主婦の友社，p.10-11，2019
