乳がん手術の術式
乳がん手術の術式
乳がん治療は、手術を基本とし、その前後に放射線療法や薬物療法を組み合わせて行います。乳がんの手術の術式には、大きく分けて次の2種類があります。
- 乳房部分切除術(乳房温存手術):乳房を部分的に切除する術式。この手術の後に行われる放射線療法と合わせて「乳房温存療法」と呼ばれます。
- 乳房切除術(全摘術):乳房全体を切除する術式。この手術の後で、乳房再建術が行われることがあります。

<参考資料>澤泉雅之 編著:がん研有明病院 乳房一次再建術.日本医事新報社,2015:p.9 表3,p.23 表4
乳房部分切除術は、放射線療法と組み合わせることで、乳房切除術(全摘術)と術後の生存率に差がないことが示され、選択されることが多くなりました。
ただし、部分切除術を行うことができるのは、比較的初期の乳がんです。がんの広がりが大きい場合などは、適応とならず、切除術が行われます。
最近では、温存するよりも整容性注2)に優れた乳房再建術を希望して、切除術を選択する患者さんも増えています。
注)整容性:手術後の美容的な仕上がり、見た目のこと。乳房の大きさ、形、位置、傷あとなどにより評価されます。