背中の組織を移植する方法
広背筋皮弁法
背中にはお腹ほど多くの筋肉や脂肪がないため、乳房のボリュームが比較的小さい人や、腋窩(えきか)リンパ節郭(かく)清(せい)による脇の下の凹みを埋めるのに適しています。背中に15cm程度の傷あとが残ります。
背中の皮膚、脂肪、筋肉の一部に血管をつけた状態で胸に移植する方法です。お腹の手術を受けた人や、妊娠・出産を予定している人にも適しています。
再建した乳房は主に筋肉でできるため、年数が経つと移植した筋肉が使われなくなって萎縮し、小さくなることがあります。
ボリュームを出すために、インプラント(人工乳房)を併用することもあります。
将来反対側の乳房にがんが発生した場合には、同じ方法での乳房再建が可能です。
図 背中の組織による乳房再建術(広背筋皮弁法)
①背中を切開し、皮膚をつけたままの広背筋と脂肪を、わきの下の内側をくぐらせて乳房の位置へ移動させる。
②乳房で縫い合わせて完了。
<参考文献>日本乳癌学会編:患者さんのための乳がん診療ガイドライン2023年版 Q.22, 金原出版を参考に作成(https://jbcs.xsrv.jp/guideline/p2023/gindex/40-2/q22/)(アクセス:2024年8月)