乳がん治療の概要
乳がん治療の流れ
乳がん治療では、基本的に、まず初期治療として手術を行い、術後に補助療法として再発予防のための放射線療法や薬物療法を組み合わせて行います。患者さんの状態によっては、術前に薬物療法が行われることもあります注1)。
病期ごとの治療方針
具体的にどのような治療法を、どのようなタイミングで行うかは患者さんごとに異なります。検査結果や手術後にわかる乳がんの状態に加え、患者さんの年齢やライフスタイル、治療法についての考え方や希望も考慮して決定されます。
がんの治療方法の基準になるものとして標準治療があります。個々の患者さんは自分の乳がんに対する標準治療注2)が何であるのかを理解したうえで、主治医とよく話し合い、納得して自分にとって最善の治療法を決めることが大切です。
- 乳がんの治療法には、手術、放射線療法、薬物療法があります。
- Ⅰ期からⅢ期の患者さんではこれらの治療を組み合わせながら治療を進めます。
- 0期(非浸潤がん)の患者さんは手術が中心となります。
- 注1)
- 術前の薬物療法:そのままでは手術が困難な進行乳がんを手術できるようにしたり、しこりが大きいために乳房部分切除術が困難な乳がんを温存できるようにしたりする目的で行われます。
- 注2)
- 標準治療:世界中で多くの患者さんを対象に行われた臨床試験の結果をもとに、専門家が有効性と安全性を確認し、現時点で最も効果があると合意した治療法のことです。
<参考・協力>福田 護ほか:ピンクリボンアドバイザー認定試験公式テキスト 『ピンクリボンと乳がんまなびBOOK』
改訂版第2刷発行. 発行/社会保険出版社 発売/主婦の友社,p.68-71,p.80-87,2019